学生・研修医の皆さまへ 先輩ドクターからのメッセージ

メッセージ

大塚 武
氏 名:大塚 武
入局年:平成30年
(宮崎大学泌尿器科)

私は平成30年に宮崎大学泌尿器科に入局し、現在はご縁があって、国内留学という形で京都大学医学部附属病院 泌尿器科に勤務しています。日本でも有数の基幹病院であり、先進的な医療と研究を推進する京都大学泌尿器科。その最前線を肌で感じながら、日々大きな刺激を受け、研鑽を積んでいます。今回は、その魅力を少しでも多くの方にお伝えできればと思います。

京都大学では、ロボット支援手術をはじめとする低侵襲手術、希少疾患、複雑症例への対応など、非常に幅広い症例を経験できます。術前カンファレンスや術後の振り返りにおいても、治療戦略の立て方や合併症への対応など、学びの多いディスカッションが日常的に行われており、臨床の深い部分まで丁寧に指導していただける、非常に贅沢な環境だと感じています。教育体制も整っており、研修医や専攻医に対する指導は常に丁寧で、「次世代を育てる」という姿勢が医局全体に根付いています。まだ入職して1ヵ月あまりではありますが、すでに多くの刺激と学びを得ており、今後の成長に大きくつながると実感しています。

もう一つ特筆すべき点は、医局全体の雰囲気の良さです。専攻医・指導医との間に大きな垣根はなく、フラットな関係の中で活発な意見交換が行われています。特に「医員室」には近い学年の同僚が5人おり、それぞれ異なる環境で多様な経験を積んできた仲間同士、気兼ねなく教え合ったり、夕食に出かけたりと、非常に心強い関係が築けています。日常臨床におけるちょっとした疑問点も、それぞれの視点から共有・解決できるため、とても有意義です。「一緒に泌尿器科を盛り上げていこう」という温かい一体感を、日々の中で感じています。

私自身、研修医2年目の6月までは他科を志望しており、まさか泌尿器科を専攻するとは思っていませんでした。専門科を決めるというのは簡単なようで難しく、自分では明確な意志を持っているつもりでも、ほんの些細なきっかけでその選択は大きく変わることがあります。当然、選択肢の中になければ、その科を専攻することはありません。泌尿器科は臨床研修において必須選択でないことも多い分野ですが、だからこそ、ぜひ一度、見学や実習に足を運んでいただきたいと思います。百聞は一見に如かず——実際に現場を見て、感じていただければ、きっと新たな視点が得られるはずです。お会いできることを楽しみにしています。

大城 碩輝
氏 名:大城 碩輝
入局年:令和4年

はじめまして。私は医師6年目、泌尿器科4年目として現在京都大学病院で勤務しています。

学生のころ、私は将来の専門科については泌尿器科をふくめた外科系診療科でぼんやりと進路を考えておりました。臨床初期研修で兵庫県神戸市の病院(たまたま京都大学泌尿器科の関連病院でした)に就職し泌尿器科研修を行ったところ、泌尿器科以外の選択肢は考えられなくなりました。その理由として、泌尿器科はいわゆる悪性疾患(がんなど)だけではなく良性疾患(排尿障害、尿路結石など)に対する手術療法、薬物療法を行うことができ、またその内容もきわめて充実しており診療における幅が広く非常に魅力的だと考えられました。また早期から手術の経験を積むことができる施設が多くいのも大きなメリットの一つと言えます。そして実際に泌尿器科の医師となって研鑽を積んでいくうえでも、これらの魅力を再認識しながら非常に充実した日々を送れています。

一見、とっつきにくい診療科かもしれませんが、診療内容や働き方も多彩で誰にでもお勧めできる診療科と個人的には考えています。一度でいいので見学や研修先にふくめてみると、世界が変わるかもしれません。もし興味のある方がおられましたらいつでもおこしください!!

松下 智紀
氏 名:松下 智紀
入局年:平成29年

泌尿器科修練医(泌尿器科4年目)の松下智紀と申します。僭越ですが私の感じる泌尿器科の魅力についてお伝えしたいと思います。

泌尿器科の魅力の一つは幅広く様々な診療を行えることだと思います。初診の外来から、診断目的の生検、手術療法の選択、薬物治療や抗癌剤加療、放射線療法併用による集学的治療、最後は緩和医療による看取りまで、一貫して診療を継続することができます。上記は主に癌治療を想定した流れとなっていますが、他にも様々な疾患に対応します。手術手技の観点では、腫瘍外科的な側面以外にも排尿障害などの良性疾患をコントロールする機能外科、腎不全患者さんの最後の砦となる移植外科、先天的構造異常を治療する小児外科、包茎や外性器形成などの形成美容外科、緊急性の高い外傷外科など様々な側面から手術手技を学ぶことができます。

また幅の広さだけでなく、若いうちからロボット手術を含めたくさんの手術を実際に経験できることも泌尿器科の魅力の一つだと感じています。個人的な経験となりますが、私は前立腺肥大症に対しHoLEPという手術を数多く経験させていただきました。手術後は排尿障害の苦しみが軽減され、患者さんに非常に感謝されることが多く、一外科医として非常に嬉しく感じていました。(※前立腺肥大症で睡眠中に2-3時間おきに尿意で目覚めるという苦しみは、夜勤で何回も起こされる経験をしているドクターであれば非常に共感できる苦しみではないでしょうか。。患者さんはそれが毎日続きます。)

ここでお伝えしたことは泌尿器科の魅力のほんの一部に過ぎません。泌尿器科の魅力に気づき、泌尿器科を志してくれる後輩ドクターが一人でも増えてくれることを祈っています。

渡邊  岳之
氏 名:渡邊 岳之
入局年:令和4年

はじめまして。京都大学泌尿器科に勤務している医師6年目の渡邊岳之と申します。
貴重な機会を拝命致しましたので、奮って執筆させていただきます。医学生、初期研修医の先生方に泌尿器科に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

私が最初に泌尿器科に興味を持ったきっかけは、学生時代にポリクリでローテーションした市中病院での先生方の姿でした。とにかく楽しそうに仕事をされていて、「この人たちは、どんな面白い仕事をしているんだろう?」と興味を持ちました。そんな中でロボット手術を見学する機会があり、その最先端の技術に衝撃を受けたのを今でも覚えています。

初期研修医になって実際に泌尿器科をローテーションしてみると、ロボット手術に限らず、開腹手術、経尿道的手術、腹腔鏡手術、顕微鏡下手術と、手術手技の多様さに驚かされました。

また、泌尿器科が対象とする疾患も非常に幅広く、前立腺癌や膀胱癌といった悪性腫瘍だけでなく、尿路結石、腎移植、不妊症、小児泌尿器疾患など、年齢・性別を問わずあらゆる患者さんと関わることができます。外科的スキルも身につき、かつ内科的な視点も必要とされる、非常に奥深い分野だと感じています。

私はまだ泌尿器科医4年目ですが、もしもう一度専門科を選ぶことができるとしても、迷わず泌尿器科を選びます。

ただ、残念ながら多くの病院では泌尿器科が初期研修の必修ローテーションに含まれておらず、実際にその魅力に触れる機会が限られてしまっています。そうした環境もあって、「泌尿器科ってなんとなく敷居が高そう」と感じている人も多いのではないでしょうか。

でも、私は確信しています。実際に泌尿器科をローテーションしてみれば、その面白さを垣間見ること間違いなしです。

少しでも興味を持った方は、ぜひ一度、見学に来てください。現場を見て、感じて、話を聞いてみれば、きっと新しい発見があるはずです。

皆さんと一緒に泌尿器科の魅力を共有できる日を楽しみにしています!

島﨑 崇綱
氏 名:島﨑 崇綱
入局年:令和6年

こんにちは。令和6年入局の島﨑と申します。泌尿器科医としては2年目で、現在京都大学医学部附属病院で勤務しております。

私が泌尿器科に進んだきっかけは、先輩医師の薦めでした。初期研修1年目の秋、内科的な診療と外科的手技の両方に興味があり翌年の研修の自由枠とその先の進路を決めあぐねていた私に、それなら泌尿器科がぴったりだと教えてくれた先生がいました。先輩の顔を立てるつもりで軽い気持ちで2年目の研修に組み込みましたが、それまで泌尿器科に進もうとは、正直言って考えてみたこともありませんでした。

泌尿器科は、外科と内科の要素を併せ持つ幅広い診療科であり、その双方を学べるやりがいのある科です。ロボット手術をはじめとした医療機器や、抗がん剤などの開発の進展が目覚ましい非常にホットな分野で、学ぶべきことが尽きず、研究テーマにも事欠きません。何より、初診から診断、治療、その後のフォローまで、多くの場合一貫して自科で患者さんを診ることができるため、患者さんと深い信頼関係を構築しながら診療を進めることができます。1ヶ月の研修でこうした魅力を知るに至り、私の進路はあっさり決まりました。

このように魅力あふれる泌尿器科ですが、大学での実習期間は短く、また初期研修で必修となっていることもまずないため、残念ながらその良さに触れる機会は多いとは言えません。もしこのメッセージを見てくださった方で私と同じような悩みを抱えている方がいたら、選択肢の一つとして頭の隅にでも置いていただければ幸いです。そして願わくはいつか共に働ける日がくれば、これほど嬉しいことはありません。