進路の決断

来年の新人泌尿器科医の勧誘が始まっている.多くの大学の先生達から,最近の初期研修医はなかなか志望診療科や志望プログラムを決めてくれないという愚痴を聞いている.専門医制度がまだしっかり定まったものになっていないのが原因だろうか.私が大学を卒業した頃,医学生は今のように真剣に自分のキャリアパスを考えていなかったように思う.初期研修制度がなく,実際の医療の現場を体験したことが無かったからかもしれない.私自身も,外科医になりたかったことと吉田名誉編集長がラグビー部の顧問をされていたことくらいの理由で泌尿器科を選んだように思う.昨年退職されたT教授は「あみだくじ」で泌尿器科に決めたと聞いている.

しかし,いままで一度も泌尿器科医になったことを後悔したことは無い.泌尿器科腫瘍の基礎研究に携わることができたし,当時は想像もできなかったロボット手術を経験することもできた.考えすぎるよりも,その場の流れに身を任たり,いろいろな縁を大切にするほうが良い未来が開けるのではないかと思っている.